4時間半寝る。起きて轟音が発せられる暖房機のスイッチを意を決して押し、次いで熱いシャワーを浴びて無理矢理覚醒する。ついでにヒゲもあたって身繕い。昨夜買っておいた朝食代わりのパンを食らい、これから面接を受けに向かう先のサイトを見ながら考えをめぐらせる。Yシャツを着、ネクタイを締め、スーツを着、持っていくべき書類を再確認しながらカバンに詰め、春にあった祖父の納骨の時以来のピカピカの革靴に足を入れ、面接先の会社へ向かう。
前日夜に下見をしたが、その会社の近くにあるコインパーキングは収容台数が少なかった。クルマで向かったはイイが、停める場所が無くて右往左往の挙句路駐 → レッカー、なんてことは避けたいし、右往左往の末に適当な場所にクルマを潜り込ませたとしても、面接の前でそんなに慌ててしまうことで、ただでさえ本番に弱い私がさらにグダグダになってしまわないとも限らない。
かと言って、公共交通機関を使おうにも、我がアジトから地下鉄の駅まで歩き、乗換えで歩き、下車して歩いたとしても結構な時間がかかりそう。だったら、アジトから面接先の会社まで、自分の足で歩くことにした。
ゆっくり歩いて30分くらい。寒いかと思って皮のハーフコートを着てきたが、日が照っている限りでは、歩いているせいもあるかもしれないが、軽く汗ばむほど。無理矢理起きても、こうして歩くことで眠気もほとんど意識しなくて済んだ。
会社到着がちょっとばかり早かったので、近くの交差点脇にある小さな公園の東屋のベンチに腰掛け、面接のシミュレーションなんかもしてみる。
そうこうしている内に頃合の時間。いざ決戦。
ドアをノックして開き、少しばかり中に進んで声をかけ、自己紹介する。会議室に通され、持ってきた書類を渡すと、アンケートのようなスタッフ紹介シートに記入するように促された。
あらかた記入も済んだことを告げると、すぐに面接開始となった。
不安だらけで緊張していて上手く話せないかもしれないが、なんて言うと、リラックスしましょう、なんて言って和ませてくれた。あとは、雑談的なパソコンの話や、私の家も会社も駅から離れているから通勤に自転車を使っている、むしろ地下鉄より早い、なんて話もあった。
他は給与体系や勤務の実態などの話で、大体30分ほどで面接自体は終了。でも・・・、手応え的にはどうだろう? 求人票では、学歴、経験、資格な全て不問だったが、会社的にはそれなりにスキルのある人を取るだろうし・・・。
そんな結果は今週中に、とのこと。連絡が無ければ御免なさいということで、なんて話だったが、書類返却を希望した為、不採用な時でも連絡が来るみたい。そのときは、会社に出向いて応募書類を手渡ししてもらうのだ。さて、どうなることか。
また30分かけて歩く。履き慣れない靴で歩いたため、左足の裏の一部やかかとに少しの靴擦れ的な痛みが。アジトに戻って窮屈なスーツを脱ぎ、出勤時間まで静かに待った。横になっていたが、寝不足の割りには全然眠くならないのは一体。
その調子でシゴトへ。
だけど、微妙に調子が狂う感じが最後まで付きまとい、発送用荷物をまとめる際には、3回集計したら3回とも違った数値になって、改めて普通じゃない自分に驚いた。それでも何とか無難にこなし、派手にミスったということもない、筈。
ああ、昨日の、どうにも解決しなかった奇妙なシロモノは、やっぱり奇妙な扱い方が必要だという。こんなゴタゴタの素となった書類をコピーして対処法を記し、発送荷物まとめの作業場所に貼り付けた。これで同じ轍は踏まない。
それにしても・・・、やろうと思えば睡眠時間が短くても朝に起きて活動する、なんて普通の人間的なリズムでも動けるものだな。さすがに、深夜帰宅の道を運転するときに、何か見えないものが見えたような気がして恐かったが。
最近のコメント