これはどうしたものか・・・
ネットを徘徊していたら、科学記事(????)を「大ニュース」と紹介しているのを見つけてしまった。その主をどうこう言うつもりはないが、その記事にはちょっと首を傾げたくなった。ので、これをネタにひとつエントリをでっち上げてみる。
発電装置:太陽光や風力より効率良く、電磁力で電力供給--木下さん開発 /神奈川
電磁力を応用した高効率な小型発電装置を、相模原市の「ソフォス研究所」代表の木下博道さん(74)が開発した。川崎市の住宅展示場で19日から実用運転の公開展示をする。木下さんは「装置は使う場所に置くのでロスが少なく、電線などのインフラ整備が一切不要。太陽光発電や風力発電に比べて格段と効率が良く、電力供給の分散化が図られる。地球環境にやさしく、低炭素社会にふさわしい装置だ」と話している。【高橋和夫】◇きょうから、川崎で公開
木下さんは風力発電を効率的に運転する技術開発に取り組む中、24時間稼働できない太陽光発電や風力発電に代わる装置として、6年前から電磁力を使った発電プラントの開発を進めてきた。開発した発電装置は、円形アルミ板の周縁に磁石のN極、S極を交互に配列した回転体が大きな特徴。その周囲にコの字形の銅線コイルを配置する。始動時には市販モーターの助けを借りて回転体がコイルの間を動き始め、回転速度が増すと、ベルトでつながった別のモーターを回し発電する。
これまでの計測結果によると、回転速度によっては、始動用モーターの消費電力の100~1000倍程度も発電可能。また始動に必要な電力は400ワットモーターなら乾電池(単3)1本でも足りるという。
研究所での実証運転では、回転体は最高で毎分1500回転し、直径80センチ(重さ約70キロ)の装置で毎時10~15キロワット、同120センチ装置で毎時500キロワットを発電した。始動時に5・5キロワットのモーターを使った場合、1個100ワットの電球30個を点灯させていて3キロワットを発電できているのに、モーターの消費電力は2・6ワットしかなかった。
特許出願中のため構造は極秘だが、電気工学や機械工学、物理学の研究者らが相次ぎ視察。元九州電力最高顧問で核燃料サイクルのプルサーマル研究に携わってきた元国際原子力機関委員の松下清彦さんは「画期的な発電装置」と認めている。
松下さんはたびたびドイツを訪れ第一級の研究者と、この発電装置の理論的な解明に取り組んできた。松下さんは「ドイツの学者、研究者は発電装置として認めている」と話し、同研究所は「ほぼ実証された」として公開展示に踏み切ることになった。19日の会場は小田急新百合ケ丘駅近く。
この記事が載っていたのが私が長年の愛読している超科学雑誌「ムー」だったなら、ふんふんなるほど、そーゆーこともあるかもねー、なんて眉につばをつけて信用度半分くらいで読み進めることも可能だけど、毎日新聞という三大紙になると話は別。
永久機関(のような装置)をヨイショするかのような意図が見て取るか、あるいは、物理法則の初歩の初歩をまるで知らないできたと取るか、紙面のスペースを埋めるだけのでっち上げ記事なのか、それとも・・・片棒を担いじゃったのか・・・。
20年位前に、向かい合わせの円盤に歯車のような感じで磁石を据えて、その反発力を用いて回転運動を取り出す装置で「靖国一号」なんてのをムーと類似する超科学雑誌で読んだ記憶がある。それを高校のセンセに得意げに見せたこともあったが、今となってもそれが実用化されて一般に普及しているなんてコトを見聞きした試しがない。
それどころか、ネットで検索してみたら、胡散臭さを暴露するかのようなサイトばっかりヒットしてしまう。
でもって、この記事にあった開発者の名前をキーワードにして検索してみたら、嗚呼・・・。
この装置がマジモノで、まるで無から有を産み出すようなものならそれはそれで良いし、一般にも普及してエネルギー問題を忘れさせてくれるのならそれは素晴らしい事だろう。でも、その装置で無から有を生み出すような恩恵にあずかれるのは極々一部の人なんだろうな。あとは、勝ち馬に乗っかって負ける前に逃げ出せる人くらいか。
まぁでも、心のどこかには、これがマジモノで世界をあっと言わせて欲しい、なんてのもあるんだよな。
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