江戸時代の日本は、全てにおいて自給自足の循環型社会だったと聞く。もっとも簡単な例を挙げるなら、厠に溜まった糞尿を回収する業者(?)がいて、それを農村部に持って行って売ったとか、何かと交換したとか。例を挙げたらもっとあるかもしれないけど、とりあえず私が知っているのはそれだけ~。
そして、当地札幌で聴けるラジオでは「ガスマイホーム発電」なんてCMを打ったりしている。3月にあった甚大な被害をもたらした震災で、寡占状態の電力会社の在り方に愛想が尽きた、なんて人もいるかもしれない。天然ガスがクリーンかどうかは知らない。が、面白い試みだとは思う。
まぁ考え方としては、自動車のエンジンで発電機を回し~の、その排熱を使って暖房を入れ~の、なんて感じかな? そのシステムのどこかにスターリングエンジンみたいなものを組み込めたら面白いかな~、なんて無責任に考えてみたり。
なんて考えながらインターネットの海を浮遊していたら、あーら、なかなか面白そうな仕掛けを考える人がいるもんだなぁ、なんて記事を発見するに至った。
【すごいぞ!ニッポンのキーテク】
節電の夏〝秘密兵器〟は地中熱 冷暖房熱源に利用
2011.6.18 12:00
年間を通して温度がほぼ一定で、外気に比べ夏は冷たく、冬は暖かい地中熱。その熱を活用した空調システムが相次いで開発され、普及の兆しをみせている。原発事故による電力供給不足が深刻化する中、「節電の夏」を乗り越える秘密兵器としても脚光を浴びている。
地中熱は1年を通じて15度前後と安定していることが特長。夏は冷たく、冬は暖かい井戸水は地中熱の作用によるものだ。この地中熱を熱源として、冷暖房に利用する空調システムの開発が本格化している。
JFEエンジニアリングは川崎市の公共施設に地中熱空調システムを導入している。同システムは地中に埋め込んだ中空の鋼管杭を通じて、地中熱をヒートポンプで取り込み、空調用熱源として活用するもので、冷房時には35~40%の消費電力削減となる。従来のエアコンは外気を活用しているため、季節によって温度差があるが、地中熱は温度が一定で、その温度のまま熱源として活用できることから、省エネ効果も高い。
また、従来のエアコンは廃熱を屋外に放出するが、同システムは地層や地下水に放熱し、大都市部などで局所的に温度が上がるヒートアイランド現象を和らげることもできる。JFEエンジでは、冬場は暖房用熱源としての活用のほか、融雪システムなどへの応用も検討している。
地中熱を取り込む際に使われる「つばさ杭」と呼ぶ鋼管杭はJFEスチールが開発したもので、回転させながら地面に貫入。廃土が発生しないこともセールスポイントだ。
地中熱活用をめぐっては、鹿島や大林組など大手ゼネコンも本格参入を目指している。
個人住宅用で地中熱システムを導入するケースも増えてきた。石油暖房機大手のコロナは、戸建て住宅を対象にした温水暖房システムに参入する。地下100メートルにパイプを埋設し、熱媒体を通じて得た熱をヒートポンプで温水とし、室内暖房に活用する。外気温が低すぎて、ヒートポンプを使うことができなかった寒冷地での導入を目指す。
空調システム開発販売のジオパワーシステム(山口県美祢市)は、独自の住宅用地中熱空調システムを販売している。取り込んだ外気を地下5メートルに引き込み、地中熱で温度を一定にしたうえで、空調用熱源として使う。床下に石を敷き詰めることで蓄熱効果を高めているのも特長だ。同社は全国の工務店と提携し、導入を促進させている。
住生活グループ傘下のLIXIL(リクシル)住宅研究所は、地中熱活用住宅の販売を進めている。同社は4月、地中熱をエアコンとして利用し、ソーラーパネルで発電することができる「究極の省エネ住宅」を発表した。
参入が相次ぐ地中熱空調システムだが、知名度はまだ低いのが現状だ。米国など海外では年間十万カ所を超える導入例があるが、日本では高額な掘削費用を理由に導入は伸び悩んでいる。
ただ、東日本大震災を機に、電力不足への懸念から「省エネへの関心はこれまでになく高い」(業界関係者)。「ソーラーの次には地中熱が注目される」との見方もあり、各社とも取り組みを強めている。(川上朝栄)
どこか似たようなシステムを持った企業が夕張にあったなぁと検索してみたら、これは社屋内、工場内の換気をするだけであって、地中の温度を持ってくるなんてこととはまた別の話、なんだな。ちっ、残念。
でも、「地中の熱源」を使って冬期間の道路の凍結を防ぐ、なんて話なら以前テレビで見たなぁ。
地上が寒くても地下水の温度はほぼ一定だから「ちょっと借りて」ロードヒーティングみたいにアスファルトの下(中?)にその地下水を通すパイプを張り巡らせてその中を地下水を流し、役目が終わったら「また地下に返す」と。それは新潟の企業だったかな?「頼むからちょっと施工させてくれ」と役所に頼み込んで、なんとか工事しても、雪が降った時にちゃんとその雪が解けてくれるか気に掛かると。で、雪が降ったので見に行ったら、施工した場所には積雪はなかったと。その他の場所には雪が積もっていたのも関わらず、だ。
資源が乏しい我が国だけに、既存エネルギーへの依存度を少しずつでも減らしていかないとイカンでしょー。引用した地中の熱をエネルギーにするシステムの他、四方を海で囲まれているのをいいことに「風力」「潮力」「波力」を使った発電船を作ってしまうとか。
メタンハイドレート、なんてのも可能性としてはあるかもしれないが、技術的にはもうちょっと時間がかかりそうなイメージがあるしな。
いずれにしても、それらのエネルギーを個人で作れるようになるなら面白いね。
ただ、風力発電の風車の設置で、やれ電磁波がどうだとか、風切り音がどうだとか、作動音がどうだとか、と色んないちゃもんを付けてくる人間もいるから一筋縄ではいかないのが難点と言えば難点か・・・。
あとは、そういうエネルギーの確保を楽しんでできるような雰囲気になってくれたら嬉しいな。過去にテクノのカリスマ、平沢進さんが日本全国のファンに向けて「自分達で発電、充電した電池を持ってきたら、それを電源としてライブをやる」なんて事をやったそうだけど、試みとしては数歩ばかり先を行っていた、かな?
その平沢さんだって、シゴトのために夜型人間から朝型人間に切り替えて、太陽光発電 ~ 充電でパソコンを起動させて音楽を作ったそうだから、可能性としては十分にあり得そうだなとは思う。
だけど思った・・・。地中熱を取り出すためにパイプを深く刺し込むんだろ? でっかい地震が来て地表面と地中との間にズレが生じたら、そのシステムはどうなるんだ? ずれても折れないパイプならまだしも、地下100メートルまでパイプを刺すんでしょ? パイプにある程度の固さがないと難しいような気もするなぁ。
そんな疑問も持ちながらも、エネルギーの自給率が高くなればもっと面白い世界になるような気が、する。
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