異感覚
昨夜寝たのは明るくなってから。そして、起きたのは結構、いや、かなり遅い時間。
その間に何かあったのがろう、目覚めてみたら、左腕の感覚が全くなかった。
寝ている間にやっていた体に悪いことといえば、小型扇風機をずっと回しっぱなしにしていた位か。それでも、その風の直撃を受けることはなかった。
ならば、左腕を体の下にしてずっと寝ていた? その辺りは分からない。
左腕が全く使い物にならないということで日常生活にかなりの苦難を強いるということを、身をもって知った。
まず、メシを食う。
お茶碗にごはんをよそうことがこんなにも難しいだなんて、誰が予想したろう? だって、左手でお茶碗を保持することができないんだから。仕方がないので、炊飯器の横にお茶碗を置いて、それでようやく目的を達することができた。
次にメシのおかず。
冷蔵庫の中を探してみても大したものは入っていないなぁ。仕方がないので、納豆と瓶詰めの鮭フレークを、お茶碗の中に投入。鮭フレークはまぁいい。問題は納豆のパックの中に同梱されているカラシとタレのパックの開封だ。左腕の自由が利かないから、その左腕で一番力が入れやすいポジションを探す。寝たきりになって筋力が落ちてしまって、その期間が長い人を想像してみよう。
肘から先は折り畳まさって、手首から先も内側に曲げないと、どうにも力が入れられないのだ。そんな状態で、カラシの開封。右手で力を入れるが、保持している左手が固定し切れないため、力が逃げてしまう。何とか開封するに至ったが、今度は左手でそのカラシを絞り出すことができないんだよ。いつも何の気なしにやっている動作が、こんなにも高度なものだったとは思わなかった。
次にタレの開封だ。これも苦労を要したが、幸い、絞り出すのに適度な隙間を作り出すことに成功し、納豆の味付けはそれで完了。最悪な場合も想定してはいたのだが、そんな事態には陥らず、とりあえずは安心と。
鮭フレークは、特に問題はナシと。
その後。明日からのメシの種がないことに気付き、ちょっと離れたスーパーまでクルマを出す。懸念のシフトチェンジは、左肩で置いたり引いたりするような気持ちで操作してクリア。ただ、走り出した途端に土砂降りの雨が降ってきたのは勘弁してほしかった。左手でワイパーレバーを操作するのだが、その力の調整ができないのだ。全開高速ワイパーにするつもりはないのに、ワンクリックの間欠ワイパーで良いのに、全開高速ワイパーになってしまう。
買い物。折り畳んだ左腕に買い物かごを引っ掛けて、あれも買い、これも買い。
ただ、会計時にケツポケットにねじ込んだ財布を取りだすのと、その財布を開いて会員カードを渡し、清算でお札を渡すとき、お釣りとレシートを受け取って、財布にしまうとき、レジ袋に買った商品を詰める台へ移動するときなどは、少しばかり辛かった。
レジ袋に買ったものを全て詰め、それを持って我がクルマへ移動し、助手席にそのレジ袋を置こうと左腕に託したら、やっぱり力が入らない。入れられない。仕方がないから右腕に出張ってもらい、そして我が身をクルマに押し込んだ。
我がクルマは軽自動車なので、運転席から助手席ドアロックの解除も簡単、な筈だったが、自由にならない左腕じゃ、ロックのノブを引き上げるにもかなりの気合を要した。
何とかアジトの共同車庫へ帰り付き、助手席ドアから買ったものを左手にぶら下げ、アジトへの階段を上る。ここまでは順調だった。しかし、アジト内で左手は力を失い、レジ袋を落としてしまった。それでも、中身をぶちまけることにならなかったのはラッキーだった。
そうしてズボンのポケットから家とクルマの鍵を取り出していつもの場所に置き、部屋着に着替えてパソコンを立ち上げ、家計簿ソフトにレシートの内容を転記し、そしてこのブログネタを書いているのだが、やっぱり左腕、左手は動かない。キーボードの上に左手を置いてはみても、キーを打てないんだから。だからこの文章も右手の指3本で打っていることになる。
明日には治るかなぁ。さっきよりは幾分力も入るようにはなってきたようにも思うけど、状態に復するにはもうしばらくかかりそうだ。
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