やっぱフィルムでしょー
テレビ放送もアナログからデジタルに変わり、カメラも今やデジカメが主流となり、それまでのフィルムを装填するアナログな銀塩カメラは、そのうちに絶滅するかなもなー、なんて気持ちも持っていたりもする。と同時に、海外製の謎のカメラや、昔の国産カメラを修理した上でフィルムを入れて、どのように写るのかを楽しむ人もいる。私も台湾製一眼レフもどきなカメラ、おそらく ROJIAE の GT-306 なるカメラを持っているが、無職無収入の期間が思いのほか長く続き、それは現在も継続中であるからして、フィルムを手に入れて撮影したとしても、現像に回すカネがないんだな。あ、過去にそのカメラを「修理(と言っていいのか)」したエントリをアップしているわ。それもちょうど3年前に。
そして、Google で キーワードを「ROJIAE GT-306」として検索してみると、結構ヒットする。中には「この画像見たことあるなぁ」と思ってクリックしてみたら、何のことはない、てめぇのブログに貼り付けた画像でやんの(苦笑)。中にはこのカメラで撮影したと思われる写真をアップしているサイトも結構あった。カネと気持ちと時間の余裕ができたら、まだ一度もフィルムを通していないこのカメラでブラブラしてみようか、とは思う。
いや、なぜかフィルムは買ってあり、冷蔵庫の中に保管されている。
その内訳は、DPEスタンドで安売りされている富士フィルムの業務用カラーフィルム ISO 100 24枚撮りが二つ。100円ショップのダイソーが売っていたコダックのゴールド ISO 200 24枚撮りが一つ、そして、ヨドバシカメラで衝動買いしてしまった現像処理が普通のカラーネガフィルムと同じモノクロフィルムのコダック BW400CN が二つ。
冷蔵庫に入れておくことで、多少「賞味期限」をオーバーしても問題あるめぇ、なんて思っているけど、どうなんだろうね。フィルム素材の経年劣化具合が思いもよらぬ色調を生み出す、なんて偶然もあったりして。まぁ、こんな感じで考えるのは、写真を仕事にしていないから、なんだろうな。プロだったら、失敗しても笑い飛ばせないもんなぁ。
と、私が書いたのは写真のフィルムに関してだけど、富士フィルムが開発した映画の保存用フィルムがデジタルを越えたとして話題になっているそうな。
【開発ヒストリー】ハリウッドで高評価!デジタルを超えた保存用フィルム
3.25 18:00 [開発ヒストリー]
米アカデミー賞の科学技術賞授賞式でスピーチする富士フイルムの開発担当者=2月11日、米ロサンゼルス(Bryan Crowe / ●(=C)A.M.P.A.S.)
富士フイルムが2年前に開発した映画作品の保存専用アーカイブフィルム「エテルナ-RDS」がハリウッドで高く評価されている。映画のデジタル化が進む中、フィルムで時間がたっても高精細な映像を残すことを実現。今年の「映画芸術科学アカデミー」で科学技術賞も受賞した。デジタル全盛時代にフィルムの底力を見せつけている。映画用フィルムは、撮影用、編集用、映画館での上映用など用途ごとに専用のフィルムがあり、使い分けられている。最近は撮影機材のデジタル化に伴い、原盤をデジタルデータとして完成させるなど、制作現場からフィルムが姿を消しつつある。
「デジタルを凌駕(りょうが)し、フィルムでしかできない領域はないか」
富士フイルムのフィルム開発担当者らの模索が始まったのは、平成18年ごろだった。
アーカイブフィルム開発を後押ししたのは、19年12月に米国の映画芸術科学アカデミーがまとめた報告書「ザ・デジタル・ジレンマ」だ。映画作品の保存について、維持管理のコストや信頼性などの観点から「アーカイブフィルムを越えるものはない」と結論づけたのだ。
デジタルデータについて、保存したメディアの劣化や、規格の頻繁なモデルチェンジにより、保存した映像情報が再生できなくなるリスクが指摘されていた。
富士フイルムはさまざまな映画用フィルムをそろえているが、アーカイブフィルムは手がけていなかった。手がけていたのは米、コダック社だけ。品質の高いフィルムが開発できれば、映画会社に採用されるチャンスもある。
「誰にも負けないアーカイブフィルムをつくろう」。20年4月、大関勝久さんら開発担当によるアーカイブフィルム開発が始まった。
当時、ハリウッドの大手映画製作会社が採用していたのは、映像を色成分ごとに分解して、白黒フィルムに記録する「三色分解」と呼ばれる方法だ。カラーフィルムを採用していなかったのは、年月がたつにつれて色あせる「退色現象」が起きるためだ。
ただ、アーカイブフィルムに使われている白黒フィルムは画質性能に難点があった。映像のデジタル化以前に開発されたため、デジタル化で高精細化が進んだ映像を「そのまま再現できる性能を備えていなかった」(富士フイルム)。
毛髪など細かい線をくっきりと表現できるか、映像にざらつきがないか、なによりデジタル化で獲得した精緻(せいち)な映像をきちんと保存し、再現できるのか。こうした問題点を、現像所や露光装置メーカーに協力を仰ぎ、ひとつひとつ洗い出した。
画質の向上には、感光剤のハロゲン化銀を微細化すればいい。従来の研究で分かっていた。ただ、「500年たっても画質がそのままかどうかは分からない」(大関さん)。そこで検証を重ねることにした。
白黒フィルムを現像処理すると光の当たった感光剤は「繊維状の銀」に変化し劣化しない、というのが業界の常識だ。だが、材料選定の担当者、白井英行さんは画像を焼き付けたフィルムの耐久試験を試みると、異なる結果が出た。電子顕微鏡で観察してみると、現像直後には「繊維状の銀」だった感光剤の形状が丸く変形していたのだ。これでは経年劣化で画像が変化する可能性がある。
感光剤のサイズを変えて試験を続けたが、小さい粒子ほど変形してしまった。
画像の描写力など、性能の確認作業は人の目が頼り。拡大ルーペを使ってチェックが繰り返された
従来の研究が間違っていたのか。研究を繰り返した結果、感光剤をフィルム上で保持するための、ゼラチンの堅さが、銀粒子の形を決めていることを突き止めた。ゼラチンの堅さを調整すれば、長期にわたって精緻(せいち)なデジタル映像を表現できるかもしれない。この発見が独自の素材配合につながり、時を経ても高精細な映像が保持できるフィルム開発をもたらした。
20年12月の試作品完成から1年余り。映像をフィルムに焼き付ける海外の露光装置メーカーに最終品の評価を依頼した。どんな評価を受けるのか。緊張しながら結果を聞きに行った大関さんに、担当者は「おめでとう。卓越している」との言葉で出迎えた。
22年4月、世界初のデジタル編集向けのアーカイブ専用白黒フィルム「エテルナ-RDS」を発売した。米20世紀フォックスが採用を決め、トム・クルーズが主演したアクションコメディー映画「ナイト&デイ」が最初の作品となった。その後米ソニー・ピクチャーズも採用し、今や両社の作品はすべてこのフィルムで保存され、デジタル技術で修復された過去の作品の保存にも使われている。
富士フイルムは当面、年間約120作品生み出されるハリウッド作品すべてに採用されることを目指す。最終目標は欧州や日本を含む世界市場制覇だ。(日野稚子)
◇
【エテルナ-RDS】富士フイルムが平成22年4月に、映画用の「フジカラーネガティブフィルム エテルナ」ブランドから発売したデジタルデータのアーカイブ(保存)専用の白黒フィルム。精緻なデジタル映像を、高精細なまま長期保存できるのが特徴。米国の映画芸術科学アカデミーは、映画事業の財産を後世に残す重要な一歩になったとして、今年度のアカデミー科学技術賞に選出した。
デジタルデータは劣化しないもんだとばかり思っていたけど、保存したメディアが劣化してしまって再生できなくなってしまったり、規格が変わってしまったことで、それまでつかえていたメディアや機械が使えなくなってしまったりするもんなぁ。家庭用ビデオデッキでの、VHS対βの覇権争いのように、それに敗れてしまったβは家庭用ビデオデッキを探すことさえ難しくなり、またテープの調達も難しくなり、そして市販やレンタルされるソフトも激減した。
また、私が好きなYMOのアルバム「BGM」のマスターテープは、確か、デジタルで記録されたものの再生できる機材が日本国内にはもう存在せず、だから本当のデジタルリマスター盤ってのは「BGM」には存在しないんじゃなかったっけ。
それにしても富士フィルム、ごっつい隙間にねじ込んだもんだなぁ。凄いや。
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