鉛筆で下書きが終わった履歴書を清書する際には様々なペンを試したものだ。例えば、役所などの机に置かれている極々一般的な油性ボールペンだが、これは文字を書き続けていると、インク溜まりみたいな感じで汚れることが多かった。そのせいで履歴書を書き直したことだって、結構ある。一行書く度にペン先をティッシュで拭ってインク溜まりの防止に努めても、今度はそのインクの乾きが遅いせいで、消しゴムを掛けたらまだインクが乾いていなかったー、と頭を抱えたことだってある。
それからは、個人的な主観によるものだけど、油性ボールペンの地位はかなり落ちた。消しゴムで修正が効かない分、鉛筆以下と思うこともあった。ただ、シゴトをしている時は、多分一番コストパフォーマンスに優れたその油性ボールペンを使い切ることが嬉しくもあったなぁ。また、シャープペンシルと同様に、替え芯があるという事実にも驚いたもんだっけ。
さて、履歴書を書くのに油性のボールペンを使うのはやめた。その代り、次に使ったのは万年筆だった。昔、彼女と一緒東急ハンズでの工作体験みたいなイベントに参加して、私は万年筆を作るコースを選んだのだ。そしてその万年筆で履歴書を書いていたのだが、やっぱり万年筆のペン先も消耗品、なんだろうね。紙に引っかかるような感じの書き味が好みでもあったのだが、その履歴書をハローワークの職員の方に添削してもらったら、「読まれることを拒絶している文字だ」との評価を頂いた。言われてみると、確かに読み難い。
求人情報誌などでは、下手でも丁寧に書かれた字は好感を与えることができる、なんてことが書かれているが、ゆっくり丁寧に書いたつもりの文字で「読まれることを拒絶している文字」なんて評価をされたのではたまらない。万年筆の使用も諦めた。
ならば、履歴書書きに手を出していなかった水性のゲルインクボールペンを使うのはどうか。
いや、地元FM局の深夜番組に投稿する際に使っていたのがぺんてるのハイブリッドなるシロモノなのだが、確かに、下書きナシの一発勝負では大変に書きやすかった。が、鉛筆での下書きの上から書くとなると、鉛筆で書かれた部分がインクを弾いてしまうのか、書けなくなることも多々あった。また、ラジオ番組に投稿する際にも、ハガキの端っこ部分になるとインクが載らない、なんてこともあった。
ちなみに、ぺんてるのハイブリッドで検索してみると、あら・・・、製品一覧からハイブリッドシリーズは外されている、とな? 確かに製品一覧を見ても見つけられないねぇ。でも、スーパーやコンビニでも簡単に手に入るぞ。流通在庫のみって訳でもないみたいだけど、いつの間にか無くなっている、なんてのは嫌だな。手に入るうちに買っておくのが吉なのかい?
ラジオ番組への投稿だったら、間違っても修正液で隠すことも可能だし、修正液がなかったら、間違った部分を ぐちゃぐちゃ と書き潰してしまうことだってできる。しかし、それが履歴書だったら、ちょっとの間違いが命取り。振出しに戻らなければいけないのだ。さすがにそれは嫌だ。
それならば、献血でもらった細いサインペンなら、と思って試してみたが、結構これはこれで好感触だったが、「本採用」にしなかったのは何故だったかな? 同等品が手に入れにくいから、だったかな? 変なところでかすれてしまうからだったかな?
いずれにせよ、履歴書書きに最適な筆記用具を求めて彷徨い、試行錯誤することとなった。履歴書のフォーマットも職業訓練校でのオリジナルに少々手を加えたものを使っているのだが、用紙のサイズが大きくなった分、一行に書く文字の量も増えた。また、そこにバランス良く文字を詰め込むためには、ペン先が細い方がより良い、なんて条件も付いた。
その点からみると、ぺんてるのハイブリッドは、ペン先がやや太くて、文字を細かくして詰め込むには少々不適なようにも思えた。大体、下書きの鉛筆でインクが弾かれてしまうくらいだし。
餅は餅屋とのことで、文房具に詳しそうな店員さんに履歴書を書くのに最適なペンをいくつか選んでもらった。まず、uni の JETSTREAM をすすめられた。
確かにすらすら書けるし、インク溜まりもなさそうだけど、油性だとなんか乾きが遅そうだし・・・。買ったはいいがとりあえず保留。
また、昨日のシャープペンシル編でも挙げた PILOT SUPER GRIP のノック式のボールペン
も、書き味すらすらでゴムのグリップが付いていて、まぁ好感触ではあったが、やっぱり油性だと乾きが遅そうだしなぁ。
ということで、求めるスペックは水性ゲルインクの極細に決まった。ぺんてるのハイブリッドのように、鉛筆で書いた文字の上ではインクが弾かれる懸念もあったりもするが、それは使っていて不満に思えたらまた別のを買えばいい、なんて気持ちになった。
で、まず手に取ったのは、やっぱり PILOT の HI-TEC-C 0.25
というモデルと、三菱鉛筆の uni・ball Signo の 0.28mm
モデルだった。あとついでに、お好みで芯の色の組み合わせを変えることができる、PILOT HI-TEC-C coleto の2色モデルに、黒と赤の替え芯を一緒に買った。これは、ただのメカフェチ、文房具フェチが興味本位で買ったもの、と思ってもらってもいいだろう。
だって、小学、中学時代に、黒、赤、青の3色が一本にまとまったボールペン、なんてものを使っていたこともあったのだけど、その3色が平均して無くなるって訳でもなかったし、その当時はボールペンの替え芯なんてがいねんもなかった。それに、3色なら3色のボールペン芯が付き出てくる、ペンの先っちょ部分が幾度となくヒビが入り、最終的には欠けた、なんて記憶もあるので、機能を変に複雑化してしまうと壊れた時が厄介だ、なんて思いもあるのだ。
しかし PILOT HI-TEC-C coleto は、替え芯のアフターフォローも万全だと思ったし、ま、あったらあったでイイかなー、なんて思ってしまったのだ。稼働時間はあまり長くないため、まだトラブルらしいトラブルも出ていないが、一本で数色を賄うってのは、やっぱりペン先辺りに無理が生じるんじゃないか、とも思うんだよな。ちなみに、某求人誌が企画した合同企業説明会に参加した際に粗品としてもらったのが、ZEBRA Clip-on multi
なる品で、その機能たるや黒、赤、青、緑の油性ボールペンの他にシャープペンシルの機能までもが組み合わさったもので、価格は消費税込みで525円、とな。一応、替え芯の記述もあることにはあるけど、近所の本屋にその在庫があるかどうかが不安なんだよなぁ。
さすがに4色のボールペンとシャープペンシルの組み合わせだけあってペン軸は太くなっているが、その太さは私の大きめな手には結構フィットする。一張羅のスーツを着て面接に向かう際に胸ポケットに差しておけば、メモを取る際にも、そのメモで大事な部分に色を付けたいときにも重宝する。しかし、それ以外の場合には、パソコンラックの上のペン、文房具入れに入れている。
そして、鉛筆で下書きをした履歴書を清書するときに、履歴書1枚ずつで、それぞれのボールペンを試してみた。ぺんてるのハイブリッドは、やっぱり・・・、な結果だった。次に uni JETSTREAM を試してみた。すらすら書ける、というか、ペンが走り過ぎる。私は、紙を上を滑るんじゃなくて、「紙とコンタクト」できるような書き心地が好みなのだよ。滑り心地は確かに JETSTREAM だったが、ワタシ的には合わなかったなぁ。
ノック式の PILOT SUPER GRIP は、その品名の最後に「07」と記されているだけあって、細かい文字を書くにはちょっとばかり太かった。同じく PILOT の HI-TEC-C 0.25 は、んー、これは紙に引っかかる感じがして、どーもよろしくない。これは個人の好みによるものなんだろうけど、ワタシ的には合わなかった。同じ HI-TEC-C でも coleto の方が幾分スムーズに書くことができた。
残るは uni・ball Signo だが、これは先述の HI-TEC-C 0.25 より、ちょーっとばかり太い 0.28mm だ。が、書き味としては、それまで試した中で一番好みに合った。ただ、いかんせんインクの減りが早いような気がするのは、履歴書を書くのに酷使しているから?
だけど、それまで試したボールペンの中では uni・ball Signo がベストなんだけど、履歴書一枚書き終わった後には、指には結構な疲労感が残る。まぁ、それはそれで仕方あるまい。
あとは、書き上げた履歴書と、気持ちを込めたカバーレターと、職務経歴書、ハローワークからの紹介だったら、その紹介状を封筒に入れて送るのだが、その封筒のあて名書きもまた面倒だったりするのだな。
職業訓練校オリジナルの履歴書(改)は、A3版。それを二つ折りにしてA4版。カバーレターと職務経歴書は私が持っているプリンターで印刷できる一番大きなサイズのA4版。それらをクリップで止めて、100円ショップでも売っているクリアフォルダーに突っこみ、それをA4版がすっぽり入る定型外郵便、角2型封筒に入れるのだけど、そのでっかい封筒に宛名を書くと、何をどう書いてもうまくバランスが整った文字にならないのだ。横書きでもいいのかもしれないけれど、まずその度胸がない(苦笑)。
結局、また鉛筆で下書きし、その際には文字を書くのではなく、デザインの下絵を描く、なんて意識で下書きするのだが、それでもやっぱり字が曲がる。清書の段階で修正しようとしても、やっぱりバランスが崩れて醜い宛名となってしまうのだ。裏面にやや小さめな文字で書く自分の住所氏名の方がバランス良くまとまるのはどういう訳だ?
さすがに、その大きな封筒の宛名書きまで細字のペンを使うこともないってんで、そこらにあるやや太めのボールペンを使おうと思ったら、・・・・・・、ああ油性。しかもかすれる。最後の最後でこの仕打ちはないだろうに、このド畜生め。結局、そのためだけに ZEBRA SARASA CLIP の 0.7mm
を入手するに至った。
って、こんなブログ書いている暇があったら1枚でも多く履歴書を書け? はい、おっしゃる通りですね。そうします。
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