シェーバーレストア
平成元年、札幌での一人暮らしをするに当たって入手した品の一つがこのナショナルのシェーバーなのだ。
形式名はRC1h、なのかな? それとも、背面に刻印された ES611 なのかな?
が、さすがに四半世紀近い時間が流れると、さすがにフルチャージしても稼働時間がはっきり分かるくらいに短くなった。だが、まだヒゲは剃れると思っていたのだが、剃っている間にだんだんモーターの音が弱くなり、最後には止まってしまうという事態にまで陥ると、さすがに「もう寿命かなぁ」なんて思った。が、ヨドバシカメラで同等品を探すと、バブル期に製造された我が手にあるこの機種と比べると、いささか性能に不満があるのだ。
何処でも手に入る乾電池式だと流石に1,180円と安いが、いざ使おうと思った時に電池がない、なんてことも有り得そうだしなー。私のようにデジカメ用にアルカリ乾電池の大人買いをして冷蔵庫保管をしている人間ならまだしも、いざというときに電池がないというのは、やっぱり痛い。ならば充電式はと言うと、2,110円とちょいと高くなる。が、そこはそれで納得もしよう。納得できないのは、充電に8時間掛かるっていうこと。
私のヤツは、たとえ残電力がなくても、5分もコンセントに差しておけば、とりあえず1回分はなんとかなる。
メーカー問わずだったら充電式の回転刃シェーバーもナショナルパナソニックと比較すると安いのだが、やっぱり充電に8時間かかる。夜寝る前にコンセントに差しておけば済む話ではあるけれど、私のヤツの急速1時間充電を知っていると、さすがに見劣りしてしまうんだな。
じゃどうする? (゚∀゚) 中のバッテリーを替えたらいいんじゃね、と思いつき、早速検索に取り掛かった。するとどうだろう、使い勝手がいい隠れた名機、なんて文字も見つけることができたし、価格.com ではバッテリー交換に関する有意義な情報が交換されているではないか。とっくの昔に捨ててしまった取扱説明書の pdf ファイルへのリンクまで書き込まれている。そやつをダウンロード&プリントアウトし、あとはバッテリーの調達と、半田ゴテの用意だけだ。その説明書で、シェーバーの背面に刻印されている ES611 が製品名(機種番号?)だと知った。ちなみに兄弟機種と思われる ES612 は、もみあげ用のキワ剃りの刃がついているモデルだ。
バッテリーは幸いなことに、ヤフオクで我がシェーバー ES611 に適合する純正品が、新品で、しかも安価で出品されていた。迷うことなくぽちっとな。バトル相手もおらず、出品価格で無事に落札できた。あとは半田ゴテ。確か100円ショップにも売っていたよなぁ、なんて思って心当たりを探してみるもすべて空振りだった。仕方がないのでホームセンターでお買い上げ。980円也。ギリギリのサバイバル生活をしている身としては、落札価格+送料+振込手数料だけでも痛いのに、さらに980円・・・。ヨドバシカメラで乾電池式の新品を買った方が安かった。8時間充電に目をつぶったとしても、そっちの方がいくらか安かった・・・・・・。ま、まぁ、今後同様な事に対処するために、あるいは電子工作に目覚めてしまった時のための先行投資と考えよう。
あ、ちなみに、充電時はこんな感じで、コンセントに差すと赤い LED が光る。これで1時間充電して、さてスイッチオンとすると、5分と持たない。逆に10分充電の方が長く持ったような気がするのだが、気のせいか?
じゃ、バラしましょ。びんぼう人の味方、100円ショップの精密ドライバー。左から2本目のプラスドライバーを使って、背面に一個だけあるネジを外して「割る」。するとこうなる。
真ん中の基盤の右、紙に包まれた筒状の物体がバッテリーだな。そのバッテリーを取り外すのだが、説明書の左側は比較的簡単に外すことができたんだけど、右側は説明書通りじゃないじゃないか。
半田ゴテを当てて半田を融かし、捻ったりドライバーで突いたりして何とか取り外すことができたのだが、これは、基板から生えている鉄板のスリットに、バッテリーのタブが差し込まれていて、それを半田で固定している、なんて感じだった。
そして、なんとか摘出したバッテリーだけど・・・、+と-の表示がねぇ。摘出したバッテリーの紙を剥がしてみれば、意味がありげな くびれ と赤いマーキングが施されていた。画像では赤いマーキングはうまく見えないな。
ならば、新品のバッテリーの紙の上から くびれ を確認し、意味がありげな緑のマーキングを信用して、この向きでイイや、と覚悟を決めた。組み直して動かなかったら、バッテリーの向きを逆にするだけだ。まぁ、ニッカド電池は熱に弱いらしく、長いこと半田ゴテを当てているとあまり良いことがない、なんてオドシもどっかで読んだけど、気にしない。気にしない。気にしないったら気にしない。
そして組み直し。割った時に赤い丸で囲った部分の爪が折れてしまったが、実用上は何の問題もあるめぇ。
真ん中の大きい爪だけ残っていればダイジョブだべ、多分。
組み直し完了。スイッチオン。ヴィーーーーーーーーーーーー。
大成功である。これで、入浴時になかなかうまく剃れなかった後でこやつを稼働させれば、とりあえずはツルスベお肌になれる。また、無精ヒゲを剃る時にも、ばちばちばち、と小気味良い音を立ててヒゲを刈り取ってくれることだろう。
うん、イイ暇潰しになったよ。使えなくなった物が再生するってのは気持ちのイイもんだね。
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よい情報をありがとう。
父用のES612を蘇らせたくて、ここに辿り着きました。電池580円でなんとかなりました。半田ごては馴染みの自動車整備店でやってもらい、わたしが組み立てました。無事成功。助かりました。感謝します。
父は現在85歳、要介護5、身体障害者1級。父が永く気に入っていたこのES612が最後のシェーバーになると、直しへの挑戦でした。ほっとしまた。
投稿: ウリム海帆 | 2014.09.10 20:14
ウリム海帆さま、はじめまして。
私が過去に書いて、その書いたことを忘れてしまっても、このように思いがけない形で人の役に立つことができるのは望外の喜びです。お役に立て経ちようで大変嬉しく思いました。
お礼を言うのはむしろ私の方です。ありがとうございました。
投稿: たけぴ本人 | 2014.09.10 23:33
あれから2年近く経ちましたが、ふたたび感謝を・・・・
例の父のシェーバーES612の電池の交換を致しました。
今度は自力で!と、半田ごてをamazonで購入しました。
ところが今までの固定された部分の取り方が解らず、また自動車整備店へ。取るのも半田ごてなんですね・・・・我ながら馬鹿だなぁと。
父の命が続く限り、何度も交換することが出来ます。その度にあなたを思い出し、感謝を。報告まで。
投稿: ウリム海帆 | 2016.08.27 14:53