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2012.07.23

私がテクノを好きな訳

前日アップ分で、昔のエアチェックテープ音源の「マツダ ザ・ミュージック」なる番組で「テクノは何処へ」なんてネタを少々取り上げた。今回はその方面で一本、ネタをでっち上げてみたいと思う。


そもそも、私がテクノ、テクノポップを意識するようになったのは、実はYMO散開直前のことだった。当時FM北海道(現 AIR-G')では「コンピューター・ベストテン」なる番組が放送されており、当時のヒット曲、洋邦問わずでのランキングを紹介していた。ラジカセを買ってもらったばかりの頃は手持ちの音源もなく、そういったベストテン番組で紹介される曲をエアチェックするしかなかった訳だ。特に田舎では。おまけにさほど裕福ではない家では。

そして、その当時に流行っていたのが、Wham! の「Club Tropicana」だったり、葛城ユキの「ボヘミアン」だったり、TAO の「Hello Vifam」だったり、伊武雅刀の「子供達を責めないで」だったりした。不文律というか、風潮として、中学生になったら洋楽を聴く、なんてのもあったし、それに乗っかったりもしたけど、やっぱり私にはYMOだったんだよなぁ。

という訳で色々曲があったけど、一番私の琴線が震えたのがYMOの「以心電信(You've Got To Help Yourself)」だったんだな。

だけどYMOはその直後に散開してしまった。従って、テクノ、テクノポップとは何ぞや、という悶々とした気持ちを後々にまで引きずるようになってしまったのだ。FM雑誌を読んでいてもなかなかその特集が組まれることがなかったし、ラジオもちょっと前に流行ったものを再検証する、なんてこともなかなかできなかったのではないかと想像する。まぁ、これから新譜が出ないというのは、YMOという「歴史」を遡っていくのには適していた時期なのかもしれない。

そして、YMOだけがテクノではない、ということを教えてもらったのもラジオ、FM放送だった。前日アップ分の最後の方に取り上げた「テクノは何処へ」なんて特集は、広い視野で見て、YMOやその周辺が世界に与えた影響、なんて感じで検証していたし、別のエアチェックテープでは、日本国内に目を向けて、YMOとその周辺の動きを紹介していた。またまた別のエアチェックテープでは、テクノが歌謡曲に与えた影響という視点で曲をセレクトして紹介していた。

見方や視点を変えれば見えてくるものも変わってくる、なんてことを知ったのもYMOのおかげといっていいと思う。ちなみに、先に書いた「コンピューター・ベストテン」のサウンドロゴ、というかオープニングは、YMOのハイブリッドなライブアルバム「PUBLIC PRESSURE」の中の一曲「COSMIC SURFIN'」の最後の部分、ぴぽぱぴぷぺぺぺ~(その後に歓声)に後にスポンサーの名前を告げ、「コンピューター・ベストテン」という感じで始まっていたのだが、そのオープニングトークのBGMで使われていたのが Kraftwerk の「電卓」だったりしたんだよね。だけど、その当時はそんなことを知ることもできず、Kraftwerk を Kraftwerk だと意識して初めて聴いたのが、「テクノは何処へ」での「The Model」だった。だけど、初めて聞いたときは正直、変なタイミングで音が鳴るし、曲自体は退屈だしと、あまり良い印象を持てなかったんだよな。

ただ、いつしか電子楽器による繰り返しのフレーズの連続が快感を呼び起こす、ということに気付いて、それから意識するようになったんだな、Kraftwerk は。まぁ、他にも ラジオで聞いた Afrika Bambaataa の「Planet Rock」で、サンプリングされているフレーズが Kraftwerk の「Trans Europe Express」からの物だと知って、えー、こんな組み合わせもアリかい、なんて驚いた覚えもある。

まぁ、ヒップホップ自体、有名な曲の一部をサンプリングすることで二次創作を行うようなもんだから、

こういうのもアリかなぁ、と後に思うようにはなったけど。

脱線した。
とにかく、印象的なフレーズがこれでもかと何度も繰り返されるような展開に弱い、という感じで納得した。

あとは、それまでの楽器では出せなかった音などを作り出したり、サンプリングしたりというテクノロジーの方面にも興味が湧いた、ってのもあるな。それらのテクノロジーを使って、それまでの音楽手法をやってみる感じで、テクノで音頭、なんてキワモノまであったりして、そんな風潮を面白く思ったんだ。

その他、楽曲演奏において演奏技術に頼らない、なんて自由さも好きな部分の一部ではあるね。ただ、YMOで言えば、最初のワールドツアーのサポートメンバーでギターに渡辺香津美さんが入っていたんだけど、ライブの際にコンピューターにデータを読ませる時間が足りないから、少し曲を引き延ばしてくれと頼まれたおかげでギターソロが目立ってしまった、なんてことがあったり、コンピューターの熱暴走で音が出なくなってしまった場合に、手弾きでそれをカバーするくらいは朝飯前の凄腕ミュージシャンの集合体だったから、そういうライブバンドのYMOってのも好きではあるんだよね。

ただ、その時の外国の報道で東洋から来たYMOは凄い、なんて報道も実は、渡辺香津美さんのギターソロが凄かった、なんて感じだったらしい。


まぁ、音楽全般を好きな雑食性になっていったけど、他人から押し付けられるとか、メッセージの内容が押しつけがましいとか、電子音楽というジャンルを確立させるために苦労した先人たちが「舗装した道路」を好き勝手に吹っ飛ばして来たような、そういうのは嫌いだな。K室T哉関係とかね。

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