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2013.03.26

【Digital】ある意味「スーパーマン」なんだろうけど・・・【Archives】昭和61(1986)年1月28日火曜日 FM北海道 22:00~ サントリー サウンド・マーケット、フレンズ・オブ・アース・イン・ニューヨーク(2)ビル・ラズウェル編

15歳の頃の私がビル・ラズウェルについて知っていたことは、坂本龍一教授、フリージャズトランぺッターの近藤等則さんと交友がある。そして、マテリアルというバンドを率いて、ドント・ルーズ・コントロールという、一種独特なノリの、私好みでもある曲を出していた、ということだけ。もちろんソースはFM情報誌から、だ。

でも、フロンティアの気持ちを持った音楽の仕事人、なんてイメージは、あった。そして、そんなビル・ラズウェルと細野さんが会って、どんな話をするんだろう、という興味もあった。しかし、細野さんはちょっとなんか拍子抜け、というか、落ち込んだ、なんて感じを受けたな。



こんばんは、西田珠美です。
サントリー サウンド・マーケット、スタジオに細野晴臣さんをお招きしてお送りしている、フレンズ・オブ・アース・イン・ニューヨーク。今夜はその2日目。昨夜のジェームス・ブラウンに続いて、今夜はビル・ラズウェルにスポットを当ててお送りいたします。細野さん、今夜もよろしくお願いします。

どうも、よろしく。

あの、ビルとはどんな所でお会いになったんですか?

これがあの~、予期せぬ場所だったんですけど、コリアン・レストラン、っていうんですかね。しかも、営業してない店で、真っ暗な所で会ったんです。

全然、お客さんのいないような所で・・・、

そう、閉店した後みたいな。でも、そんなに遅くなかったんですけどね。

ビルっていうのはとっても忙しい方ですよね。

凄く忙しいみたい。ぼくも忙しいんですけど、またちょっと違う忙しさですね。なかなか面白いキャラクターです。

じゃ、今夜も面白いお話が期待できそうですね。

はい。

じゃ、最後までごゆっくりお楽しみください。
フレンズ・オブ・アース・イン・ニューヨーク、今夜はビル・ラズウェル編です。


えーとそれでは、ここにいらっしゃるのは、ビル・ラズウェルですね。それから、アントン・フィアーと、それから、アイーブさん、と、マネージャーの方と。実を言うとここは非常に変なところで、ニューヨークとは思えないんですけど、・・・音楽が聞こえてきますが、これはなんか、メチャクチャですよ、ここは。いつもここにいるみたいなんですけど、看板がハングルで書いてあって、誰も入ってこれないようなところで、真っ暗なところで、やってるんです。

これから彼らに何か聞いてみようと思うんですけど・・・。




実を言うと、2月4日に武道館でコンサート演るんですけど、これが初めてのフレンズ・オブ・アースの見せ所なんですが、そこに、何を隠そう、今ここにいるアントン・フィアーさんともう一人ここのアイーブさんが、セッションに加わってくれるという。で、彼らは、お聞きのようにメチャクチャ ラフ なんで、ちょっと心配です。アントンに、2月4日のことを・・・、なんて聞こうか。やる気あるの? ふっふっふっふっふっふ。

あの、凄くやる気あるって。

ホントに?
ということで、今カセットテープを渡したんですね。


※このタイミングで、番組の最後にあった曲紹介によれば、ラウンジ・ニス・アース(と聞こえた)でア・コルドレイブ・アート(と聞き取った)が流れるのだが、何をどうやってもその曲に辿り着けなかった。曲は、サックス主体のジャズっぽい曲だった。これを見ている方の中で、「この曲じゃね?」なんて思い当たる方がいれば、コメントにでも詳細を書き込んで教えていただければ幸い(人)オネガイ。

ところでビルに聞くけど、ニューヨークのヒップホップ・シーンは、今はちょっと活気がないようだけど、終わったのか?

あのー、すごい今、一緒にやっているミュージシャンだけでも100人以上いて、それぞれが全く違った文化的なバックグラウンドがあるし、カテゴライズすることができないような音楽の人達もいるし、で、ヒップホップと呼ばれているミュージシャンとは、今のところ、たまたま仕事していないんだけども、だからと言って、ストリート・ミュージックというものから離れているとは思っていないと。むしろ、流れから見ると、そういう意味では色んなことやってると。ストリート・ミュージックに供給している側面もあるんだけど、すごく色んなことが広範なカテゴリーから出てくる。


前半終り。

続いて後半。

サントリー サウンド・マーケット、フレンズ・オブ・アース・イン・ニューヨーク、今夜は第2夜、ビル・ラズウェルにスポットを当ててお送りしています。
非常に今、彼らはアフリカの音楽、アイーブがここにいるけど、アフリカの音楽と接触してきたでしょ。ミュージシャンと。それは、今後はもっともっとやっていく、んでしょうか?

あのー、まだ全然アフリカン・ミュージックってもの自体は、ニューヨークでは認めてられない、と。まだ認められていない。ぼくらはかなり仕事をしているけれども、アフリカン・ミュージックってものはシーンとはなっていない、ってことですね、ニューヨークの中で。

ぼくらがやっていることっていうのは、アフリカのミュージシャンとやっているけれども、エッセンスを別の要素にくっ付けて、ヨーロッパの要素とか、エレクトロニックな要素とか、そういうものをくっ付けて、例えばトルイコーン(? あまり良く聞き取れず)だとか、ニュー・・・・・・(聞き取れず)だとかフランスで作っているものなんか、アフリカのミュージシャンが入っているからといって、アフリカの音楽とは言えない、と。アフリカン・ミュージックって言う場合は、やっぱり、アフリカで録音されたものを言わなきゃいけないんじゃないか、と。自分達のやっていることはアフリカン・ミュージックだとは思っていない。

なるほどね。




じゃ、これからの・・・、えー、なんて言ったら良いんだろうな? 予定、具体的に何があるか、ちょっと聞いて下さい。

レコード作りですか?

レコード作り。


※ここでビル・ラズウェルが色々なアーティスト名を口にする。私の幼児並みの英語耳で聴きとれたアーティスト名は次の通り。ブーツィ・コリンズ、スライ・ロビー、ハービー・ハンコック、モーターヘッド(野中さんが驚いたように聞き直していた)、アフリカ・バンバータ、アーティスト名じゃないと思ったけど、ウィンダム・ヒルなど。

全部本当なんだけどね、今言った名前。とにかく電話掛けてくる人が多くて、今全部一つ一つ言ってくれたから分かると思うけど、それこそハードロックからジャズからカントリーからファンクからいわゆるポップスまで、全部含まれていてどれか全然分からない。あと、ゴールデン・パロミノスの彼とアントンと、もう一人誰か、メンバーが決まっていないんだけど、それでやるつもり。

これは何だ、OTTですね。その、彼の存在自体がね。信じられないです。




ここは実を言うとジャパニーズ・レストランで、さっきまでカラオケ掛かっていたんですけど・・・、これがニューヨークだと。

エキゾチックですよね。

そう。
結局どの店行っても別にヒップホップ掛かっている訳じゃないし、タクシー乗るとクラシック掛けているしね、運ちゃんは。

あれ面白いね、みんな掛けてるね。

そう。もうなんか、おとなしい静かな音楽をね、聞いてる訳で。

しかもそれが環境音楽じゃないってのが面白いでしょ。環境音楽ってほら、落ち着くために作ったような卑しいところがあるけど・・・。

そういったラジカルなものを敬遠している、という感じもしないでもない。
ビル・ラズウェルが話したことってのはすごく面白かったんですけど、何が面白かったかというと、やっぱり、えー、東京ではすごくヒップホップというのは、まぁ、分かりやすいニューヨークの音楽的な状況の一面だったんですけど、今はそんなものはない、というね、白紙で混沌としているということが、その中心的な人物であるビルから、そんなものはないんだと、そういう発言によってより一層明らかになってきた、という。これは、世界的に見てもやっぱり今、面白いことがあまりない、ということの裏返しの発言だということなんですけど。

白紙に戻っちゃった状態なんで、混沌とした状態ってのが一瞬にして、ビル・ラズウェルとかそれからトレヴァー・ホーンとか、そういった「なんかやってくれるプロデューサー」の所に全部集まってきちゃう。しかも、ジャンルが無くなっちゃってきて、ジャズからカントリーから色んなその~、トレヴァー・ホーンを見てても「もう、ああいった音楽はやらない」という宣言をしたり、結局もう台風の・・・(このタイミングで、バックで日本歌謡のカラオケが流れ出す。曲名は不明)おっ、いやいやいや、あっはっはっはっはっは、ニューヨークです、ここは。


サントリー サウンド・マーケット、フレンズ・オブ・アース・イン・ニューヨーク、今夜はその第2回、ビル・ラズウェル編をお送りいたしました。細野さん、どうもありがとうございました。

どうも。えー、ちょっと暗い会話だったんですけどね、このテープが。
でも、初めて会ってなかなか刺激的だったんですけどね。今回・・・今度、ビル・ラズウェルの子分のアントンとアイーブが一緒にステージやるんで、面白いと思ってんですけどね。

それでは、明日の夜もよろしくお願いいたします。
今夜お送りしました曲は、ハービー・ハンコックでカラバリ、ラウンジ・ニス・アースでア・コルドレイブ・アート、グレイズ・ジョーンズでファッション・ショー、マヌ・ディバンゴでパタ・ピア、オノ・ヨーコでスター・ピース、ピルでライズ、FOEでOTTマニフェスト、以上でした。明日の夜は、アフリカ・バンバータにスポットを当ててお送りする予定です。どうぞお楽しみに。ご案内は西田珠美、この番組は、サントリーがお送りいたしました。

いつの頃だったろう。既存の音楽の手法は大体出尽くした、という話を聞いたことがある。だから、それまで聞いたことがなかったような民族音楽などのエッセンスを加えて、新しい地平を開拓する方法を模索する、なんて話だ。ビル・ラズウェルが27年前にやっていたことは、ひょっとしたらこういうことなのかもしれない。

今はどうだ。このエントリでも YouTube のリンクを貼っているし、カネと感性、才能があれば、自分だけのボーカリストを手に入れて、曲を作り、それをインターネットで公開して、見ず知らずの人と共同制作する、なんてことも可能になっている。

これからの音楽はどうなるのか、現在の私は今流行っている音楽がどんなものなのか全然分からないし、ほとんど興味もない。ただ、ラジオを聞いていると、たまに新しい曲が琴線を震わせることもない訳じゃない。しかし、手に入れようと行動するまでにはなかなか至らないんだよなぁ。

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コメント

ラウンジ・ニス・アース(と聞こえた)でア・コルドレイブ・アート(と聞き取った)という箇所ですが、

Lounge Lizards の Au Contraire Arto

ではないでしょうか?
https://www.youtube.com/watch?v=HOs17fE8YYw

アントン・フィアは初期のラウンジーリザーズのメンバーだったので間違いないと思います。(FEELIESをやめた後Lounge Lizardsへ)

ちなみにThe Feelies ‎– Crazy Rhythms(超名盤)のドラマーは彼です。

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