【Digital】不器用も個性 か!?【Archives】斉藤清六解剖学 なんなんなんだ!? / 斉藤清六
何故か我が家は、テレビの視聴が著しく制限されていた。私自身が強度の近視&乱視で、小学校入学してすぐにメガネをかけるようになったから、そのせいもあったかもしれない。でも、小学校入学以前からテレビの視聴の機会は、多分、他の人と比べると少なかったと思う。その代り、日中のほとんどの時間はテレビではなくラジオが、まぁ、選曲ダイヤルが回されることはほとんどなく、HBCラジオがずっと流れていた。そのせいもあるのだろうか、私が生まれる前の歌謡曲、演歌も知っている、曲名は分からないけどメロディが流れ出したら歌詞が思い出される、なんてことも まま あった。
制限されていたテレビの視聴も、夕方17:00位からアニメの再放送、それはトムとジェリーだったりルパン三世だったり機動戦士ガンダムだったり、巨人の星、もあったような気がする、だったりで、その後18:00からNHKにチャンネルが変わり、600こちら情報部を見て、チャンネルはそのままでプリンプリン物語、そしてローカルニュース、19:00のニュースと続いて終わる、なんてパターンが多かった。なので、大体テレビを見られても、遅くても21:00までにはスイッチが切られていた。
が、1980年代初頭に欽ちゃんブームがあって、月曜日21:00からフジテレビ系で欽ドン!良い子悪い子普通の子が、水曜日21:00からテレビ朝日系で欽ちゃんのどこまでやるの!?が、そして金曜日21:00からTBS系で欽ちゃんの週刊欽曜日が放送され、それらの番組に限っては、家族で見ることが「許された」。もっとも、父から「早く寝ろ」と頻繁に勧告があったが・・・。
そして、今回ネタにする「斉藤清六解剖学 なんなんなんだ!? / 斉藤清六」だが、彼は水曜日、欽ちゃんのどこまでやるの!? の出演者だった。私が知っている限り、かなり不器用な人、なんてイメージだった。が、先日ちょろっとアップした「中古レコード30枚一気買い」の際にレコードをディグっていたら、一際目を引き、そして場をわきまえずに爆笑してしまったのがこのレコードなのだ。
「げ、清六さんがレコードを出していたとは」、と驚き、家に帰ってそのレコードの中で最初に聴いたのがこのレコードだったのだが、その内容のハチャメチャさ、支離滅裂さ、そしてレコードと一緒に入っていた、何か、どこか勘違いしている感じのポスター(?)に絶句し、そして爆笑した。
内容的には清六さんのライブの模様(!)、清六さんと作曲家、宮川泰先生の掛け合い、それを繋げるルパン三世での重要なサブキャラ、次元大介の声の人、小林清志さんの大真面目なナレーション、なんて感じだ。
大体、最初からして酷いんだもの。
ファミコンソフト「ぎゅわんぶらあ自己中心派」のオープニングのような、単音の「未知との遭遇」のあのリフ、でも最後に音が外れているんだ。
それからおもむろに、小林清志さんのナレーションが入ってくる。
それは、まさしく未知との遭遇であった。我々が数億年という長い間に培ってきたこの地球感覚が、彼との遭遇によって、今まさに、脆くも崩れ去ろうとしているのだ。こんにちは、斉藤清六です。
ここから「ツァラトゥストラはかく語りき」がBGMとして流れ始める。
斉藤清六、姓と言い、名前と言い、なんと平凡そのものであろう。しかし、この平凡さの裏側に潜む非凡な才能は計り知れない。(若き日の小堺一機さんの声で)自分では自分のことを、なんとお思いですか?天才です。(会場が沸く)
彼の才能の一つに、同一の単語を重ねてひとつの言葉とした、いわゆる「畳み語」の見事な発音がある。例えば、その中の一つ、「なんなんだ」。
なんなんなんだ、なんなんなんだ、なんなんなんだ(エコー)。
どうしても、一言多くなる。
さらに、幾多の才能を秘めていると思われる彼の中に、音楽があった。
上に貼ったのは「ギンギラギンにさりげなく」の音源だが、レコードでは「ふられてBANZAI」である。
この、今までにない「新鮮な歌唱法」は、人々を戦慄させた。まさしく、プロもお手上げである。詞は特に理解してやってます。
例えば、「勝手にシンドバット」の場合は、どういう理解をしている訳でしょう?
湘南を思い浮かべて、あの~、今何時、ということでしょう。
と、ここから「勝手にシンドバット」の歌詞の朗読が始まるが「胸騒ぎの腰付き」を「むね騒ぎの腰付き」と読み間違える始末。
そして、いざ「勝手にシンドバット」を歌えば、清六さんの歌だけがリズムを無視して全速力で走り出し、伴奏、コーラスが「今何時?」の所に来るまでおよそ15秒、待っていたりする。
今自分ではよく歌えたと?「今何時」ってああいうところがノるんですよ。
お客さんはそうは思ってないみたい。途中でなんかもう、「今何時」を待ってたような体勢がありましたね。
いやあの~、いいんじゃないの?
しかし、30秒位伴奏しかなかったところがありました。
曲の作りでしょう。
何が彼を歌に走らせたのか? 彼は何故歌うのか? この素朴な疑問を解明すべく、彼の行動を追ってみた。
と、ここから宮川泰先生宅へ押し掛けて、半ば無理矢理歌のレッスンをしてもらうのだが・・・、
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